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国家の安全から台湾海峡の戦略関係を見る
汪啓疆/前海軍中将

楊鴻儒/訳


T. はじめに

国家の安全は、あらゆる国家の施政の重要課題であり、また、「一つの国家の機能の継続的存在と運営が出来る保証でもある」(注1)。国家安全の最大利益は「生存」であり、國際権益の多極化に従い、地域的関係の相互作用と彼我の影響も益々密切になってきた。凡そ、政治権力、直接あるいは間接的軍事力も、某国家の安全を威嚇する絶対力にはなり得ない。凡そ、一つの国家の主権の行使、國際権益の獲得、その他の地理的環境、社会構造、民主的経済、政治制度、人民の素質と生活様式および、国家が生存の拠りところとする一切の有形、無形の力に影響を及ぼず要因は、「国家安全」で思考すべきものである。

「台湾」はその島嶼形態の特殊性により、対外の安全事務において、尚更周辺の海洋環境の政治勢力、軍事勢力、経済勢力と地略位置の影響を受け易い。その対内の安全事務、例えば、民主化、社会多元化、種族意識、階級利益等の協調、融合も、「国家安全」の範疇に包括される。況や、國際社会が地域利益獲得者と國際現実――大国の影響を受けるのは趨勢の然らしめるところである。それ故に、國際(地域)強権間の台湾海峡地域の海洋戦略に対する態度も台湾の安全に影響を及ぼす。本文は戦略から着眼して、台湾海峡の実務状況を討議しているが、政略、経略、人文関係に波及せざるを得ない。また、地略位置と形勢を基礎として、地域性主要国家の可能な視点と利益の相互作用まで広げ、更に両岸関係、戦略経営、海洋発展等の視点から、「国家安全」に対する認識と了解を述べる。

U. 台湾の海洋地略位置と特性(付図1)

2一、政治地縁の思想衝撃

台湾は四面を海に囲まれた典型的な海洋形態国家である。政治的隷属が決まってから大陸陸縁に位置しているから、基本的には、大陸地略を中心とした政治版図勢力の投射地域に入り、権力集中を形成した中央統一管理制度下の付属地域と辺境地帯になった。百年来、台湾は割譲により、海軍理念に富む日本の統治下に入り、認識を日本琉球の海洋島嶼連鎖関係までに拡大し、中華民国に復帰後、島嶼地略で海洋政略の経営に従事して、大陸地略中心の概念の現実から、海洋政略地縁へと転換した。簡単に言えば、台湾の地略位置は、海洋版図と大陸版図の二つの地略中心意識の牽引と影響を受けて、現時点の認識上の現実面を形成して、海洋政治の自由、民主、冒険、トライの政治的心理態度を形成した。

2二、軍事島嶼連鎖の均勢位置

台湾は西太平洋とアジア大陸が連接する海域の鎖形島嶼上に位置し、中国大陸東南沿海を抑え、中共海洋戦略の所謂第一連鎖島嶼(ベーリング海峡、千島群島、日本群島、沖縄琉球群島、台湾、フィリピン群島)を形成する。また、日本の一千海里海上防衛南縁の戦略前衛でもある。その地位は、アジア太平洋地域南北の差異と均勢の均衡を維持、支配する。米、日地域の海洋利益について、保障、依託の機能をもっている。中華民国の軍事力も多年の整備により、地域防衛の強大な作戦能力を具備し、中共の西太平洋進出の戦略発展に、牽制作用を発揮することができる。この地理位置において、相当な戦備能力と周辺海洋武力投射の軍事実体を有し、米、日、中共の西太平洋における戦略利益の相互作用の均衡に最も影響を及ぼすことができる。

2三、東北アジアの経済血管

西太平洋盆地地域の経済発展について、経済成長率から言えば、専門家の分析によると、21世紀の全世界経済の1/3は、この地域から産出される。そのなかで、大部分の原材料と製品は、海上輸送を通して経済貿易を行い、航路で中東のエネルギーと欧州の経済市場を連結するとともに、本地域内諸国の近距離貿易が行なわれる(注2)。バシー海峡と台湾海峡はともにアジア太平洋地域の重要な海域であり、台湾、大陸、日本、韓国の主要航路を掌握している。台湾の安定とこの海上交通線の安全は、台湾自身と北東アジア及び東南アジア経済区の相互利益に影響を与えるのみならず、日、韓の生命である石油と中国大陸南北航海の利益にも関係が深いので、世界の注目を集めている。

2四、人文の島嶼特質

地略、経済と島嶼の特性及び中原文化と海洋文明の二種の衝撃と沈殿によって、台湾独特の人文特質の「草の根」性、民主化と多元社会構造等を形成した。その「草の根」性から、島嶼漁民の海洋抗争(不屈の精神)と、土地農民の自然樸質間の矛盾と相互寛容を具備するようになった。これは民主化であるから平和裏に中国民権史上の政権交替を実現させた。自主心理が極めて強烈であり、また、多元化でもある。人民の自我意識が強いが、社会価値がばらばらである。これは種族、環境保全、尊厳、本土化と国際化、台湾情緒と大陸情緒等が沈殿未完の社会構造である。李遠哲博士曰く:「血縁、文化、歴史の継承において、私は多数の台湾人と同じようにかけねなしの中国人ではあるが、われわれが中共の自由民主に対する期待に、如何なる妥協もできるということではない。」(注3)、彼氏は現時点の台湾精神のリーダーではあるが、謙虚と自分は「多数」の台湾人民を代表していると語っただけで、全部の台湾人民とは言っていない。詳細に分析すれば、これも島嶼文化が海洋の陶冶と不断の入れかわりの過渡期における不安定性の当然の現象である。この島嶼文化意識の特殊性と視野の角度が、台湾の政治、文化、性情、認識と生命、前途の決定に、相当な影響を与えていることは否定できない(別紙1)。

V. 国家の形勢と中共の海洋戦略

一、国家の形成

アジア太平洋海域の海洋利益と戦略制御点から討議すれば、我が国家形勢は西太平洋連続島嶼内の中央位置にあり、西太平洋交通の樞軸に位置し、中国大陸が外の向って発展する前哨窓口と、太平洋から中国大陸に対する大幅海洋投射をする前進基地である。1999年、わが国が82年の海洋公約為基礎として、法律で「中華民国領海及び隣接区法」及び、「中華民国専属経済海域及び大陸棚法」を公布した。この法律施行後に、海洋主権はわが国政府の有効管轄範囲が陸地台湾から海域台湾へ拡張し、面積も土地約3万5800km2、から17万9000km2、約5倍増加の「海洋国土」を増加した。この「海洋国土」を如何に有効に管理、経営、開発して、生存発展を計るかは、わが国国家利益の所在である。上述の形勢の影響及び地域海洋国家の相互作用の関係も、更に重要になる。

台湾は四面海に囲まれ、その地略位置と環境資源が典型的な海洋態勢を構成し、平時の対外貿易と海運、空運は国家生存の命脈であり、海域の掌握と海空軍の成長は、国家安全と生存保障の要件で、台湾海峡と台湾周辺の制空と制海で構築された戦略縦深と戦力投射は、国家安全防衛上、必須の要件である。

目前の国家安全環境と地域形勢を評価すれば、わが国の生存に最大の脅威を与えるのは、中共の武力侵攻である(注4)。わが国の国防整備は自衛と平和維持の目的を求めることにあり、国防政策は「生存、発展を求め、民主憲政の体制と人民生命財産の安全を確保するために、わが国は充分な防衛能力を維持しなければならない。」この強大な武力は、我が国が中共との平和的対話、交渉のバックアップをし、台湾海峡情勢の安定を計り、アジア太平洋地域の平和と均衡を維持する国家戦略である。その方法は「全民国防」、「近代化国防」、「地域安全合作の推進」を主軸とする。軍事政策は、「有効抑止、防衛固守」の戦略構想と指導で、建軍、戦備を強化する(注5)。

中華民国国軍について言えば、現段階の両岸の対峙は、双方戦力の比重傾斜により、当然、抑止戦略を国防安全の首位に置き、「海峡」に着眼しなければならない。国防の全盤政策は「国家の安全、海洋国土権益の擁護、海洋戦略」の視点から、目前と将来の国家形勢の発展方向を全般的に思考する。軍事力を国防に取り込む「海洋戦略」の企画において、「軍事戦略」経営を指導し、軍種戦略を運用して、「国家の安全、海洋環境、経済利益、国防海洋政策」の四つの支?点において、「地域安全合作の推進」を達成して、地域的軍事戦略合作を獲得するとともに発展を促進する。

二、中共の国家全体海洋戦略

ポスト冷戦時期の中国の国防戦略は「積極防御」、「質、量建軍」で、「近代化、正規化した軍隊」を構築して、「ハイテク化の局地戦」に勝つことを目標にしている。現段階の全体国防政策は海洋大国の海洋戦略の仕組みに転換している(別紙2、3)。その軍事戦略の中で、西太平洋戦略は「防御型」の戦略形態から「進攻型」の戦略形態に転換して、「海洋威嚇」で構築した進攻思想に向って予防性の近海防御力の建造に着手している。中共の今後の主要作戦の方向は、「第一は東南沿海、第二は南シナ海、第三は中印国境」と確定した(注6)。国家海洋策略の基本面は、「東から太平洋に進出、南は南シナ海に指向する」である。

中共海洋戦略の制定と海軍建軍の方向は、条件によって構築し、全般の國際関係を考慮して、アジア太平洋局勢の変化と中共の国家利益をもって、その「戦略方針」、「戦略指導」、「戦略方向」を制定している(注7)。即ち、下記の意義を包括している。

戦略方針:

海洋経済の発展を先導とし、経済成長を安定させて、国防予算の同時成長を確保する。近海200海里の積極防御を実行して、経済海域の経営及び、双方あるいは多方性地域合作(中共はずっと国際法あるいは海洋法を利用してその権益を保障してきた)、あるいは強烈な排外性行為を推進してきた。中共海軍は、有効に近海海域を制圧して、戦略縦深延長を獲得し、陸、空軍と連合して海洋や臨海地域で作戦し、外力の侵入に抵抗して、200海里の海洋事業経済権益を保障するとともに、中共、日、韓同等のエネルギー航路の順調な通行(隣国に影響を与える経済命脈の掌握)を確実に掌握して、アジア太平洋地縁戦略センターを主導する位置になる。また1000海里内で、三次元空間作戦を遂行する統合作戦能力の目標を制定し、その海軍を戦術性部隊から戦略性兵力のレベルに高めた。この着眼は、過去に東南アジア諸国が南沙群島で占拠した島嶼と海域を奪回するのみならず、中共の国家政策と時機に歩調を合わせて、台湾問題を解決する。その他、中共海軍は積極的に兵力投射力である新兵力の構築整備に取り組んでいる。これは中共軍の重大な戦略性調整であり、近代化条件下のハイテクの局地戦争に勝って、中共のアジア太平洋地域の政治軍事影響力を保障する。

戦略指導:

「近海積極防御戦略」から目前の臨機応変戦略に拡張して、防御性の中の攻撃作戦執行の目標を達成させることを、海軍建軍の指導方針とする。戦場経営は、大陸沿岸の戦略性都市の防御、重要港湾再建と太平洋第一島嶼連鎖海峡の特性を熟知することに重点を置く。装備の調達獲得は、戦区の特性及び各仮想敵国海軍作戦の特性によって、各型戦艦、航空機の建造を規画し、国家の経済状況を勘案して、航空兵力の発展を加速させて、協同作戦能力と近海戦作戦震撼力の増強を期する(中共は艦砲外交を運用する意識があり、数回の東南アジアの「友好促進艦隊」の訪問のほかに、1998年11月美済礁の基地拡張時に、海軍艦艇を運用した。当時のフィリピン国防部長マイケントは「これは一種の強国が弱国を凌辱した高圧行動だ。彼等は目前わが国に抵抗する力がないこと知っているからだ」と語った。

海洋戦略目標:

中共は21世紀を期して、海軍の全体戦力が大陸臨近海域を完全に制圧でき、且つ1千海里範囲の用兵能力を具備する(日本と重大な戦略衝突を引き起こす)。中国近海地域範囲内(黄海、東シナ海、南シナ海)で威力哨戒を実施し、近隣太平洋及び印度洋海域内において、中共の海洋利益に危害を及ぼす事件については、迅速に反応し、状況により、限定的あるいは中等規模の戦争で勝利を獲得する(中共の称する中等規模戦争とは、二つあるいは二つ以上の艦隊の特遣機動作戦兵力で敵と作戦することを指す)。総体的な目標で言えば、暫時中共は米、露両国の海軍と覇権を争わないが、実力を日本、沖縄、台湾、フィリピンの「太平洋島嶼連鎖」に進出できるよう努力して、太平洋の西側半分に到達させる。且つ、南シナ海の西沙群島永興島、南沙群島永署島、南薫島とミャンマMERGUIで海軍前進基地を構築して、勢力をマラッカ海峡に指向し、印度洋に進出して、完全な「鋏型」戦略進攻態勢を形成する。兵力投射能力を有する近代化海軍は、中共が國際において独立強権を展示する主な道具である。(付図2、3)

この戦略指向において、中共は内陸国家から21世紀の海権国家に邁進する仕組みを突出させた。中共が太平洋へ進出するには、まず台湾を制圧して、西太平洋島嶼連鎖の包囲態勢を瓦解させ、台湾を中共の太平洋戦略の前哨とする。印度洋へ進出するには、南シナ海を掌握しなければならない。台湾が守備している南沙群島の太平島は、南シナ海の前進配備に最も重要な戦略態勢拠点である。

W. 地域の影響と衝突の危機

一、アジア太平洋地域は、地略形勢の自由化経済体系

アジア太平洋地域の互恵貿易は、マラッカ海峡、南シナ海、Lombok海峡、バシー海峡、台湾海峡、対馬海峡等の5大航路を通過している(対馬、台湾、バシーの3海峡は大陸から300海里の範囲内で、Lombok海峡とマラッカ海峡は南シナ海から1千海里の範囲内にある)。この地域の海洋貿易と石油輸送の規模は、毎日マラッカ海峡を通過する船舶が、パナマ運河とスエズ運河を通過する船舶総数の二倍以上に達することから、その一端が窺える(注8)。(毎日台湾海峡周辺を通過する船舶は300余艘に達する)。マラッカ海峡は南シナ海と連接する欧州、アジア、アフリカ間の重要な航路であり、日、韓、中共、台湾、南亜諸国の経済貿易とエネルギーの需給には缺かせない通路である。南シナ海は中共、日本、韓国、フィリピン、ベトナムの海運の要衝であり、その海域には豊富な油田があり、この海域周辺の国家が競って主権を主張したので、南シナ海問題は、中共海軍戦略思考の重要な一環となった。日本のマラッカ海峡、南シナ海等の安危と経済、戦略、資源海域に対する関心は中共に勝るとも劣らないものがある。5大航路の如何なる地域で状況が発生しても、地域に重大な影響を引き起こす。それ故に、各国間とも現状維持で、地域権力の均衡を維持し、地域合作の安全組織の強化で統合を計り、協調と制約的コンセンサスで、自由化経済体系を構築し、共通の利益、共同開発、共同運用、平和解決の原則について、相互の往来、信頼を形成した。安定した地域海洋(海略)環境があるから、地域のあらゆる国家が国家利益と経済、貿易を発展させることができるのである。(付図4)

二、米国のアジア太平洋地域の戦略構築

国家の目標は国益の所在であり、国家利益は国家の大戦略と各地域戦略を決定する。全般的に言えば、米国は基本的に、地域多元体系の世界政治構造はすでに形成され、米国の全世界及びアジア太平洋地域における利益は、多元化に発展して、「権力均衡」の安定構造あるいは、競争の場に入っていることを了解している。米国は「地域強権が自分で地域安全の責任を負うことを奨励して、現地の直面する可能な脅威(危機)を抑える外に、コントローラーの役割を演じて、この地域のリーダーの地位を失わないようにすることである(注9)。これは米国がアジア太平洋を含む全体戦略構築の理論の基礎である。民主改革と市場経済を実施する地域の繁栄を推進するとともに、東亜環太平洋盆地における米国の軍事力を維持する。

米国のアジア太平洋防衛の目標は、安定した東亜太平洋盆地国家の関係を構築することである。1995年2月に発表した「米国の東亜太平洋地域における安全戦略」レポートは、米国の西太平洋における国家戦略目標を表明し、「アジア太平洋地域で、信頼できるが、脅威性をもたない兵力を配備する。米国の利益は、平和的方式で領土及び紛争を解決することである。米国が太平洋と印度洋の重要航路を保護する能力は、地域内の繁栄を促進する」(注10)。

1996年5月、米国元国防部長ペリーが太平洋盆地経済会議で発表した演説:「アジア太平洋地域の安全事務及び米国の予防性国防戦略」は、地域の相互信頼、コンセンサスの構築と全面的に中共と接触することについて、更にはっきりと説明した。「米国がアジア太平洋地域において、日本と韓国間に防衛関係がある外に、その他の国とも共通の安全の利益をもっている」、「地域内の多角組織、例えば、アセアン、アセアン地域フォーラム(ARF)を更に全力で支持し、各国が共に関心を抱いているテーマについて、互いに対話、討論と意見を交換すれば、必ず各国間の相互の理解を促進、増進して、提携の域に達することができる」、「中共と接触することは、米国の既定の政策である。……米国の重大な利益が脅威を受けている地域(例えば、北朝鮮)で、中共に安定性のある役割を演じさせる……軍の対話のパイプを敷いて、中共軍が駐軍している地域で、米軍が活動する場合、双方が誤解や意外事件を引き起こす可能性を減少させる。」

1996年で台湾総統選挙で中共が実施した軍事演習に、米国が明確な反応を示した例を挙げて、「米国は如何なる必要な行動をも取って、米国の利益を保護すると表示したのは、米国のアジア太平洋地域の危機に対応する具体的な行為である。

三、危機、衝突の可能性

われわれが中共の全体戦略、21世紀へ向けての戦略方針、指導、目標と、米国のアジア太平洋地域戦略を比較対照して見たら、相当な危機意識を引き起こす。双方の利益衝突の敏感な位置は台湾である。

戦略から言えば、中共対台湾について、海洋政策と海権国家戦略利益の評価、影響、運用から見れば、結論は明確である。「台湾」は、アジア太平洋地域の南北の差異と均勢の均衡を維持、また支配もできる。米国、日本の国家利益、安保条約、一千海里海上防衛体制の戦略前衛と保障の機能を具備している。米国の対台戦略において、キーポイントの地位と多重軍事戦略の重要性もっている。軍事の視点から言えば、中共は台湾の統一あるいは、台湾の復帰を堅持するのは、勢の赴くところ必須であり、米国との衝突も「一戦も惜しまない決心」をもっている(注11)。事実上、1996年、米国は二つの航空母艦戦闘群を台湾の北東、南東海域に配備した。中共の軍備の勢力は、第一島嶼連鎖内地域の掌握に向けて、「確実な武力侵攻を建造する」及び、「米国が台湾海峡の事務に干渉したら、米国空母を撃沈できる実力を擁する」の二つの目標に向って準備を進めている(注12)。

米国対台湾の政策の調整は、米国対台戦略で決定される(注13)、米国の「国家安全戦略報告」は、明確に全面的交流政策は米国対中共の政策の主軸であると表明しているが、「地域の侵略行為を抑止し、われわれの利益を確保するため」にアジア太平洋地域で幾つかの双方盟約(最も重要なのは米日安保条約)が必要である。また、この地域に10万の米軍を配備している。しかし、米国の台湾海峡危機処理に影響を及ぼす研究分析の変数は多く、且つ慎重である。基本的に、地域及び全世界における米国の利益、制約枠組みの秩序から生じる影響と、後続の可能なドミノ効果の思考である。台湾海峡危機の際に、米国は持続的に密切に中共の意図と軍隊の動向に注意して監視、偵察を行なった。「判断の錯誤あるいは意外が、厳重な敵対行為を惹起する」、前後米国に赴いた李肇星と劉華清から中共の意図を了解するとともに、台湾がこの脅威に対応する時は、挑発的態度を取らないよう希望した(注14)。

台湾海峡の危機、衝突の可能性はすこぶる高い(別紙4)、しかし、台湾、中共、米国は相当の制約性と制限性を有し、数回の台湾海峡の衝突において、中共と米国の介入は、「間接防衛協力」と「抑止」だけである(別紙5)。一旦、台湾海峡で衝突が発生したら、米国は台湾の現況から獲得できる各種利益と、台湾を失って、中共との相互作用で獲得できる国家利益は、どちらの影響が深遠であるかを考慮して、策略とやり方を決定する。冷戦及びポスト冷戦から今日まで、国際間の紛争と衝突の発生と後遺症から一つの事実を見い出せる。条約と道義は、永遠に國際現実と既得利益に及ばない。ある程度の限定的参入後、「必要な行動」の弾力性は、その必要性を失う。大国間の有限戦争は、彼我の負担できる「戦略目的と作為」、必要な消耗と演出で、利益と妥協を獲得する(別紙6)。米軍の武力運用の原則は、米国の重大な利益に影響を与える。且つ、「法令解釈、状況分析」、対話、評価、事前判断」をして、概略的に作戦の最低限度」を決めた後に、適宜な(高、中、低)レベルの軍事行動を採用する。その目標性、限定性及び選択性の使用は、弾力性に富んでいる。「武力運用原則」内には、「衝突の開始から、平和の獲得の計画に着手している(注15)、手を引く戦略思考である。

若し米国が台湾海峡の衝突により作戦に参加するとしたら、当然比較的レベルの低い限定的な武力投射で、影響を拡大せず、とくに、絶対に大陸本土へ手を付けない(別紙7)。中共もまた一種の隔離途絶作戦で、米国の空母をその想定地区に隔離しあるいは、2面、3面の支作戦を実施して、米軍を遅滞、消耗させて、対台湾の主作戦を有利に遂行する。

X. 両岸の相互作用と和、戦

一、中共の基本理論のロジック

台湾は中国の一部であり、香港、マカオが次次と復帰した後、台湾が祖国に復帰するのは、民族、歴史の任務であり、主権領土は分割を許されない。それ故、台湾問題は統一、独立の問題である。

中共政府が平和統一の方針を実行すると同時に、如何なる方式で台湾問題を解決するかは、中国の国内問題であり、武力使用の放棄を承諾する義務はないと表明している。しかし、中国人は中国人を打たない、武力の使用は、台湾独立、外国勢力の介入、台湾内部の動乱、解決を長引きかせる等の情勢下において、最後に仕方なく実行すると言明している。

台湾の現況は、中国内戦の継続であり、如何なるその他の国の他国の占領、管轄方式とは異なり、中国の内政問題だ。台湾問題は中国人自身で解決すべきである。一つの中国の原則の下に、「平和統一、一国二制度」の方式で、台湾の自治を実施し、台湾人は相変わらず台湾の主人である。現実の環境と実務に基いて、1992年の「一つの中国」のコンセンサスで、政治対話を行なって、その他の議題に進んで行く。これが中共のロジックである。

二、中共両岸策略の影響に及ぼす要因

「平呉策」の策略運用:

三国時代、晉が蜀滅ぼしてから13年後、荊州戦区司令官羊(示古)は呉の討議計画を上呈した。当時、人力、物力、地域等各方面において、晉は呉よりも強大であり、時機も晉に有利であった。しかし、晉の武帝は未だ決断を下していない。これは晉国に他の戦略論点があったからである。即ち、外寧の後には必ず内憂がある。呉を滅ぼして外患がなければ、必ず内憂を引き起こす。それで呉を存在させて、警戒心を保つのは採算が合うと。

そこで、羊(示古)は迂回方式で呉人に対して攻心戦略を展開した。戈を起こすことを言わない、奇襲しない。相互往来、呉人の利益を追求する。甚だしきに至っては、敵軍とも交流があり、相手方に病気があれば薬を送って治療させる。相手もこれに服して疑わない。こうして戦いはないが、羊(示古)はすでに人の兵を屈服させ、呉国の軍民の心は晉に帰したのである(注16)。羊(示古)の「平呉策」は、現在の「経済、政治、心理」の戦略である。中共の指導者は常に「歴史を鑑」とすることを好み、この大戦略の前後段階の運用と、両岸対峙の相違について会得することがあると信じている。歴史も常に繰り返され、状況作為もまた共通性があるから、中共は絶えず進行の時機を造成している。朱鎔基が日本を訪問した際に、民主党の代表鳩山由紀夫氏に台湾問題を取り出した時、「平和統一、われわれは辛抱強く統一する日を待っている」と語った。中共が第5回中央委員大会後に、実施した「世紀の大演習」は、「国際間、とくに米国と日本に、若し國際が中国の内部事務に干渉するならば、中共軍は全面的動員をして、米、日と作戦をする能力があることを理解させる」とともに、「中共が強大な軍事実力を備えれば、台湾独立はだんだん収斂して、中共も益々平和方式で両岸の問題を解決することができる」の二つの目標を互いに呼応させている。

長引いて解決しない」影響:

台湾は中国東南沿海の精華地域と貿易航路の前門に位置し、中共の海から内陸に向って実施する「経済国防区」を構築する背後である。中共の専門家は、台湾問題が長引いて解決しなければ、中共近代化の国家建設に波及し、消耗性の効果を生み、また、ある国家は海洋を牽制して、中共の主要戦略発展の投射点を防止し、更に、相対的に中共の経済貿易、外交、海洋戦略活動を擾乱し、中共の國際結構と格式及び、影響力を弱まらせる(注18)。しかし、台湾は民衆の権益を優先し、政局は各方面の制約を考慮しなければならず、政策は常に段階的修正をしなければならないから、長期的政治問題の決定に影響を及ぼす。台湾の政策と政局は、昔日の政治強豪時代の継承性と一貫性と異なり、長引いて解決しなければ、中共に対しての内部の統合、政策意見と長期国家利益及び施政方向、甚だしきに至っては、異なる代表のメカニズムに対する対話と相互信頼の形成は、恐らく具体的な成果を生み出せないであろう。

米、日の役割の明確性と曖昧性:

中共の考え方は、台湾当局は米国の支持があり、絶えず軍事力を増強しているから、「武力で統一に抵抗し、長引かせることで統一を拒絶している」という政策を放棄しないと。米国も台湾を「潜在的戦略相手」を抑制する切り札とし、米国が東亜防衛線をコントロールするキーポイント、アジア太平洋地位で民主を推進するモデルと見なしている。米台関係の強化は、米国が地域安全体系をリードする重要な一環となっている。米国は「台湾は独立をせず、大陸も武力を発動せず、米国は両岸の中期協議達成を促進する」政策を打ち出した。実質的には、長期的に両岸は統一も独立もしない分離状況である(注19)。日本は米国との米、日安保条約と防衛調整を通じて、「周辺事態」と言う曖昧性で、台湾問題の介入を強化している。

中共の策略の決定と威嚇の持続:

中共の戦略思想と行動方針は、全体的な推移の脈絡があるけれども、各時期の行動についての決心は、極めて迅速、独断的である。一般的に言えば、「中共のリーダー」自身が状況問題を思考し、それから「政治局常務委員」数人の間で下相談をした後に、「政治局会議」で討論、決定し「適当な時期と適当な事件」を選択して、始めて外部に公表する(注20)。公表前の配合、運営、形成(紛争の製造)等はもうすでにやり方を決めている。戦備において、中共はすでに北海、東海、南海艦隊に任務編成で「応急機動作戦部隊」(海軍航空団を含む)、海軍陸戦隊旅団「快速機動打撃部隊」、「福州戦区」を設立統合し、編成と演習により「制空、制海、制電磁波」の聯合作為、潜水艦と海空の妨害、隔離、兵站の前置機動の強化で、主、支近海作戦で二つ以上の戦場のニーズと相互管制に対応し、将来いつでも発生可能の海上局地戦争と突発事件において、戦争の主導権を掌握する。

戦略上、戦争の対価と作戦の最低限度を評価して、メス作戦、不対称作戦、超限度作戦、「戦える、何時でも戦える」の行動策略を形成し、作戦の条件に着眼して、戦略形勢、作戦の程度、終戦作為、正負効果の主動性を掌握する。戦術演習は「何処を打つか?」の反覆演習により「全体行動――全面牽制の態勢、重点打撃――局地目標の集中を形成」、「速戦速決」の戦術作為により、空岸、全面、重点、虚実の機動作戦の速効を達成する。

実務レベルに回帰:

9月1日、陳水扁総統は、ニューヨークタイムスの取材の際に、「国民党政府は統一を台湾前途の唯一の可能な結果とし、統一を両岸問題解決の唯一の道としたか、このやり方は台湾の民意に反する」と述べた(注21)。中共はその他の「唯一ではない」道は何か?これは台湾当局の政策の曖昧化による転換と策略の軟、硬の運用で、戦略意義を含んでいると懐疑の念を抱いた。中共国務院の対台弁公室主任陳雲林は9月25日に、「両岸の戦争と平和の主導権はわれわれ(中共)の手中にはなく、台湾当局の手中にある」と述べた。意味深長である。彼曰く「台湾の新指導者が台湾を何処へ導くのか?我々は眼をこすって待っている。――中国は最大の誠意をもって平和統一の前景を獲得するが、断固として台湾独立と一切の分裂活動を阻止する決心と必要な準備をもっている」(注22)。明らかに中共の政策決定に携わる人は、実務的に地域戦略均勢、米国の利益、国家の目前の重点経済と内部問題を計り比べるとともに、台湾当局与党が急いで党内及び台湾内部の意見調整をして、先に安定を求め、次に実質的作為に入るネック現象について、相当程度了解している。

歴史の眼で中共の思考方式を見れば、その主権領土問題について、殆ど旋回の余地がない。しかし、南シナ海、中印国境問題について考察すると、処理する際に相当実務的であるようにも見える。あるいはその他の策略に着眼して、有効な迂回をするか、あるいは自身の経済改革環境の安定した発展で、問題の緊迫性を緩和したのかもしれない。この実務的レベルで表現した限定的な空間に、われわれは注目すべきである。

中共の国家利益に対する考慮:

若し中共が武力で台湾を侵攻するとしたら、中共は米、日の介入及び経済等の一切の国家損失を顧慮しない。しかし、戦略形式は局地衝突の域を出ず、国家利益と米日相互関係のために余地を残しておく。米国介入の程度が僅かに台湾が限定的地域戦争に耐えて、米国のアジア太平洋地域の利益を維持するとしても、中共の考えは、若し衝突の強度が米国の意志と願望を越えたら、米国の政策は米国後続利益の方向に転換する。日本も米日安保条約により、この対抗に介入するが、国内の異なる意見と強烈な質疑及び爾後採用しなければならない戦略方向に直面して、慎重に思考するであろう。しかし、外力の介入は、必ず中国民族主義と軍事冒険主義の激情を引き起こし、国家利益の範囲内で掌握できるか否かあるいは、中共政権の潜在的内部問題を誘爆して、相当の後遺症を残すか。全般的な考慮をしなければならない。

両岸に対す「非戦」思考:

台湾問題は長引かせてはならないが、現実環境と阻止力の存在は、その解決に時間とコンセンサスが必要である。現有の基礎と可視的国家利益において、若し中共が地域平和の均衡を保持し、米、ソ、EUとの相互関係を維持するならば、2010年前は、中共の国家経済建設と軍備整備近代化の最も重要な時期であり、同時に、若し台湾との経済貿易、WTO、三通相互訪問を強化すれば、台湾与党の国家の経営、政策の方向、政党のコンセンサスと政府新策略作為の変化に影響を及ぼす時期でもあり、國際関係の有利な状況を利用して、対台関係を進展させることができる。若し台湾海峡で衝突が発生すれば、誰が勝っても、誰が負けても、中共内部の圧力になり、米国勢力のアジア化を形成し、日本の再武装、東南アジア諸国の警戒心等は、中共の戦略経営を現時点よりも困難な境地に陥れる。

大戦略の視点から国家の将来を企画するのに、中共は優先的に国際観、経済体系、戦略パートナ関係と軍備を改善すべきである。金があり、力があり、市場があった後に、全般的貿易で米国を引っ張り、戦略対話を「建設的戦略パートナ」関係に発展させ、アジア太平洋地域の戦略利益と結合したら、日本の拡張を圧縮できるのみならず、且つ、中国が遂に統一する事実を受諾させ得る。また、米、日と共同利益の交換と協調で、軍事あるいは準軍事衝突の台湾問題に対する干渉強度を瓦解させる。

「一つの中国の原則」のコンセンサスの下に、中共は解釈を拡大して、両岸の対立消耗を減少させる。台湾が独立をしなければ、戦争は起こらない。現状維持は、双方、現有利益を共に保証することができる。事実上、台湾の経済優勢が逐次衰退及び産業等が国外に移転すれば、台湾当局は地略上の戦略利益しか残らない。更に現実なのは、台湾の経済が衰退すれば、その軍備の投資、維持も必然的に萎縮する。一つの地略のみ有して、海洋制御能力と武力投射のない島嶼に、武力を使用するが否かは、総体的で絶対的な問題ではない。とくに、台湾を取得しても、相変わらず中国と溝があり、台湾の体制、生活様式、民主思想、政党政治の理念等は、中共国内のマイナス面の触媒になる。とくに、台湾の民主化は徹底し、民衆の権益を優先しているから、共産党の体制、理念の質の変化を促進する。ややもすれば抗争をし、公権力に挑戦する悪性のモデルは、大陸社会の秩序の混乱をも促進する。大陸は台湾と比べられない。若し、民主、人権思想の形成許したら、国家統治危機の爆発である。

「武力」は必須の威嚇と最後の手段である。武力に訴える犠牲の下で統一しても、引き続き怨みと計り知れない潜伏変数を形成する。戈を起こせば、必然的に破壊性をもたらす。当然、中共はダライ・ラマ流亡政府に対して根本的意を介していないように、形成するであろう。台湾流亡政府をも相手にせず、台湾人が自分の主人になるとを尊重し、台湾人で台湾を治め、且つ、国家の力を運用し、全力を尽くして台湾の再建に協力するが、武力と死亡が人心に留めた傷痕は、縫合できずに、民族の傷痕となる。

Y. 境外決戦の戦略思考

戦争を自国人民が生存する土地に持ち込まない

両岸関係の歴史性、現段階の接触と対立あるいは、将来の急迫性の正、負両面の相互関係発展の可能性を展望すれば、合作の空間と衝突の要因は、同時に存在する。両岸の分裂、分治の事実あるいは、現実面における現状の維持と対応、変化について、直視を回避してはならない。21世紀に誕生する新しい政治、経済、情報環境、意識形態、価値観、戦略現実とその限度は変化をしている。それで、新しい思考と接触方式で、既有の枠組みを調整し、時代と環境変遷に適合する両岸関係を創作しなければならない。

一つの新しい思考方式の思考方法について、陳水扁総統は6月16日に「境外決戦」の戦略概念を打ち出して、広汎な討論を引き起こした。陳水扁総統は陸軍士官学校の開校記念日の講演で、将来の建軍、戦争準備の方向について、「正確な縦深打撃、早期警戒予報の向上、情報優勢の獲得」と「境外決戦」の観念を提起した。論者は軍事視点から戦略について、その意義を釈明した(別紙8)。私の考えでは「境外決戦」を拡大して、陳総統の国家全般戦略の構築と運用に関する、一つの根本策略と指導と見なすべきである。その着眼は「国家生存の確保、人民の生命財産安全の保護、国防武力建設の強化」である。如何に中共の全面体制と直面するかの国家大戦略と軍事戦略について、提起された基本的対応方策である。

一、「境外決戦」の大戦略(策略)思考

情感認識と新挑戦への出発:率直な台湾に対する感性思考の表現である。政府が台湾へ移転してから戒厳令が解除されるまで、中華民国の大戦略と国家戦略の方向は、反攻大陸と反抗大業を国家戦略の主要目標とする方向に傾き、政経、心、軍及び民生等は共にこの主要目標に付属する基本建設となり、台湾の地略と戦略の眼光は、「復興基地」の存在と大陸へ投射する旅客心理に指向された。蒋経国先生の後期の十大建設、民主化、本土化が、やっと台湾と政府の関係を密切に結び付けた。目前、与党と野党の人達は皆この地で生れ、この地で育ち、この土地に感情の根を深く下ろしている。われわれはこの土地の子であり、台湾はわれわれの母である。「境外決戦」の戦争を台湾本土に波及させない戦略思考は、この土地に対する感情の発露である。

「境外決戦」の大戦略の範疇は、国土の外では、政(政治対話と外交)、経(地域経済と大陸の経済貿易)心(認識、アイデンティティ、コンセンサス)、軍(地域軍略フォーラム、地域安全防衛、軍事交流)の国家戦略、策略運用、國際決戦、与国の獲得を含む。

「境外決戦」は、全部の本土を保障する大なる愛である。台湾はわれわれの根であり、家であるから、戦火に晒すことは許されない。戦争は921大地震よりも大きく、全体的な壊滅性をもっている。世界の如何なる国も戦争の壊滅を自分の家にもち込みたくない。第二次世界大戦において、日本の軍国主義は全民玉砕を叫んだが、遂に本土決戦を放棄した理由はここにある。本土の安全を保障することは、如何なる国家の指導者も堅持する基本理念であり、「境外決戦」はこの理念の具体化である。若し、政治理念と政党の堅持により、鳥の巣、卵、雛が諸共に壊滅したら、愛、希望、理念の意義は何処にあるのか?陳総統と与党の「境外決戦」の意義は、国家と政党、多数と少数間の共同理念と政策を調整し、台湾本土生存の実質と発展のコンセンサスを確実にして、以前堅持したある意識形態により、錯誤判断、戦争を引き起こす可能性の口実について、相当の抑制と迂回をすることである。

全面戦争概念の再定義:国家体制、尊厳、存在と国家統治理念の貫徹は、歴史の回顧(日本、英国の第二次大戦後の国家戦略過程)と現実の展望による。「境外決戦」大戦略形成の造成は一つの具体的策略方向である。軍事上、作戦縦深を構築し、政治上、段階的接触を展開し、経済上、地域経済貿易体系に組み込み、安全上、全般地略戦略と多国利益の中で、平和的に問題を解決する均衡力を追求する。民主上、対岸とのコンセンサスを追求して、人民と人文の接触により、風俗習慣、民族、血脈の感性包容を生起させる。これは一つの大戦略の全体的全国作為である。この柔軟性のある表現は、多重パイプの接触、対話及び、戦略枠組みの相互制約により、戦争の最後で最も残忍、巨大な生命と対価を支払う手段方式を越えることができる。若干の問題について分岐、空間を与え、同を求めて異を残したら、根本的矛盾を解決できなくても、極端に走ることはないであろう。即ち、中間路線上に相当の柔軟性を留保して、戦争に対する制約的感性と理性を構築することである。

多元戦略造成の具体的方策:境外決戦が調整する戦略構想は、台湾の国家防衛は一途に中共の脅威と対封鎖、対上陸などの作戦状況に対するものであった。しかし、現在の環境と中共の戦略思考方式への対応は、アジア太平洋海洋戦略と、海峡両岸の戦力経営(中共は第一島嶼連鎖と一千海里海峡の掌握で、その建軍と用兵の範囲は自ら台湾の海洋戦略位置に対する戦略圧縮と兵力投射を含む)に着眼しなければならない。わが国の海域戦略戦力の構築と運用も、それに対応する外に、わが海洋と相連なるアジア太平洋諸国(大陸を含む)間の地略位置、政治、文化、宗教、経済貿易、利益の相互往来について、「多元性と変異性」の解析と了解をしなければならない。国家首脳部も海洋戦略経営について、大陸地略と経済区海洋戦略の配備を強化して、政府省庁のコンセンサスを構築すべきである。日本を例に挙げれば、原来、日本の海洋配備は、強大な海洋経済貿易で、地域経済効果を造成して、経済、政治の相互支援を形成した。それから、形勢上のニーズにより、全般的経済貿易、現地生産の実力を利用して、地域への影響を強化した。また、米、日二つの海洋国家の相互往来、互恵を例に取れば、戦略上、日本の安全及び、米国のアジア太平洋戦略のニーズに対応するために、日本地域の海権影響力と海軍軍事力投射の範囲を強化して、米国のアジア太平洋地域(海洋)の抑止と、包囲策略の柔軟性部署の防衛パートナになった。

今日、台湾の経済情勢は、大陸市場を含む全市場につい全般的思考をしなくてはならなくなり、アジア太平洋諸国も、経済建設と発展を国家の目標として、地域間の相互依存を形成した。中華民国の国家海洋戦略は、日本の海洋戦略の「経済貿易性、全体性、同時性、境外性」の布石を参考にしなければならない。両岸の経済貿易関係は、貿易の往来により、台湾は200億ドルの利益を得ている。これは事実の指数である。経済は国家の核心的利益であり、安全性と密切な関係がある(注23)。フランスのクリエ曰く:「商業戦(経済)は最劣勢な艦隊(戦力)にとっても、一種の最も経済的(直接有効)な手段であり、且つ、平和を再建できる。それは敵の繁栄の根本ニーズに対して、直接打撃を与えるからである」(注24)。経済は安定した両岸関係と國際地域関係で発展させる。これは目前の国家利益の重要な着眼であり、政策決定機関は、安定要因の下に、大陸との経済貿易の合作方策について、全般的考慮をすべきである。商機は戦機の如く、商場は戦場の如しと言われている。これは経済の「境外決戦」で敵の後方に深く進入し」商をもって政を促進し、商をもって和を促進する。台湾はこうあるべきであり、中共もこうあるべきである。

逐次戦略統合の力量投射――自己消耗の軽減:

理念の統合:李遠哲博士は最近、両岸の政治理念の矛盾対立について、二つの重要な提案をした。「大陸経済建設の順調な発展を待って――大陸経済の発展に伴って、民主、自由の発展も向上し、その時に、両岸の統一がはじめて実質的有意義をもつ。」、台湾は須らく1992年の各自が口頭声明の方式で、一つの中国の原則のコンセンサスに戻るべきだ。」(注25)。国民党主席連戦も両岸は1992年にコンセンサスを得たと述べた。しかし、今ち問題は我方にある」、今日、与党はまだこれを受け入れる基礎ができていない。与党自身にコンセンサスがないから、どうして中共と談判するのか(注26)?新政府の成立後、如何なる国家戦略の理念、方向、政策についても、国家の利益、安全と全民の福祉を考慮し、政治責任を負い、統合して、国策の確定性を形成しなければならない。

予防性策略:米国の元国防部長ペリー曰く、米国の追求する最良の安全政策は、「衝突の発生を予防し」、「戦争の発生確率を降下させる」。そのために「如何なる必要行動をも採用してわが国の利益を維持する」。それで「予防性国防戦略」を提起した。本文の各章において、概括的に両岸の情勢、中共戦略の構築、危機衝突と和戦策略、即ち、相手の可能な戦略最低限度と反応を探索し、逐次正、負の要因を統合し、我方の能力、作為を見極めて、予防性的策略対応を計り、「如何なる必要行動」をも採用して、衝突を軽減して、国家の安全を保持する。

二、「境外決戦」の作戦と戦術思考

「境外」の「作戦」の意義

境外は決戦の時間、空間上の作戦境界線の外にある「戦場」の範囲である(注28)。また、経済貿易上の意義では、領土の内。例えば、李登輝前政府が三通(直接通航、通商、通信)について規画した「域外転送センター」構築の範疇である。しかし、デジタル化情報の多重戦場には、「境内」「境外」の言い方は、最早存在しない(注29)。

根源攻撃(ATTACK AT SOURCE)

根源攻撃は、軍事衝突が発生する前に、敵の作戦の要点と神経の所在を詳しく研究、判断し、戦力の限定性に基いて、任務部隊(TASK FORCE)(空軍反撃部隊、特攻兵力、潜伏配備)に、ハイテク武器と電子戦情報撹乱能力を配備して、敵のこれらの設備に打撃を与えることである。例えば、C4ISR指揮管制情報監視システム、作戦捜索偵察と兵器システム、地域空中管理センター及び重点支援基地などに対して、若しその指揮通信、監視、偵察と目標解析機能を喪失あるいは、相当程度の時間に喪失させ、その情報伝送を麻痺状態に陥らせて、我方の戦機と先制の獲得を有利にして、戦いを国境外に止める。

前進戦場の経営:

将来の作戦環境、敵の戦略目標について、その脅威指向の軍事数量、任務指向の異質任務及び兵力間の戦闘序列について、「敵の主、支作行動に対し、各々の可能「戦場」を規画、我が軍の利害と作戦条件を勘案して、先期経営を行って掌握する。作戦時に、連合作戦兵力の決戦の時間、空間で、国境線外に戦場を形成する。また、戦術と阻止行動を外に延長し、局部優勢を獲得して、「極大の戦力、適時反撃、位置の機動」の指揮管制運用を達成し、主戦場決戦の遂行を前もって国土の外に置く。

有効な威嚇と抑止:

米国のポスト冷戦の国防政策は、「予防性国防」を第一線とし「抑止を第二線」「軍事衝突」(戦争)を第三線、最後の方法とする(注30)。抑止と衝突は戦争の威嚇と対決でもある(別紙7)。攻勢防御兵力は、戦線を敵の縦深位置へ引き込み、戦略価値を有する有効な目標を攻撃し、的確に「抑止」の有効な意義を発揮して、敵に作戦の対価について熟慮させる。言い換えれば、直接的で最も有効な兵力は、敵後方の配備および、強大な火力、高度の機動、大空間、生き残り率の高い空中戦力と戦略、戦術ミサイル戦線である。上記の条件を具備する国軍の戦争道具は、電子戦、情報エネルギー航空機、特殊部隊だけである。

戦争の本質の残酷から、若し、作戦が不対称な軍事力の下で、近代化兵力をもって、高度威嚇対価のある作戦用兵を考慮するとしたら、一個あるいは数個の空中攻撃(特攻)兵力で、境外決戦を遂行する。「反撃、阻止、密切支援」を作戦任務とする戦術空軍は、中共が台湾侵攻の前に、制空権を獲得するために実施する多ソーティ無予告の接続攻撃の擾乱下で、遂行する防空阻止作戦の消耗性、持久性、残存率と作戦効果について、再評価をしなければならない。航空機自身は攻撃と反撃の戦力であり、航空機と航空機を1機対N機の有機性戦力交換で計算すれば、その構成する抑止は限定的である。ある段階の時間内(作戦初期を含む)に、既定戦略目標に対して、火力を対岸に指向すれば、牽制の効果を生じるととも、相手の攻撃用航空機を防空阻止に転用させ、且つ、相手が対価と影響を考慮(1機あるいは若干機が任務を達成)しなければならなくなって、境外決戦の「有効抑止」を達成できる。

戦略部署:

「境外決戦」のもう一つの意義は、戦略部署と用兵手段である。国軍の「固安作戦計画」(安定を堅固にする)は「有効抑止」防御固守」の戦略構想に基づいて、「戦略持久、戦術速決」の作戦部署を採用して、「敵を対岸に阻止し、半渡に乗じて撃減し、陣地内において殲滅する」を用兵手段とし、強勢で境界に達した侵攻の敵に対して、参謀本部が連合作戦の作為で、兵力、火力を重ねて敵を境外に阻止し、且つ、「対上陸」水際陣地を作戦の拠り所とする。「境外決戦」は形勢により運営し、機動的に用兵の前後と攻守転換を調整し、突破攻撃の積極的作為を指令する。部署においては、鉄拳効果を重視するとともに、作戦の突撃力を創作する。また、縦深地略形勢を具備しないから、戦略展開を採用し、「作戦面」を形成して、海軍の一部の戦闘群の海上機動力で、戦略面を拡張して、本島から引き離し(境外牽制の形成)計画した位置に隠匿待機して、決戦側翼を形成する。そして相対的に敵との作戦面を拡大して、その行動範囲を牽制し、その序列規画と指揮の複雑性を増加させて、我が軍に有利な「境外で敵軍の攻勢を阻止する」戦機と間隙を生起させる。

海軍は曾て1996年3月の中共の台湾海峡ミサイル演習時における米国の二つの空母戦闘軍が採用した南北後退部署の位置の戦略部署と意義及び、それから形成された三つの「戦略支?点」の海洋拠点枠組み(もう一つの拠点は台湾)について、深く研究分析した(付図5)。台湾海峡に若し再び危機が発生したら、その徴候性と米軍の情報予知能力、その反応レベルは、96年よりも低くならないであろう。この「三つの戦略支?点」の投射、包括性、弾力性の相互補完は、我が軍の戦略部署の参考になる。我が軍は米、日と共同作戦をしようとする過度な望みをもっていないが、相関位置の部署と戦術運動は、欺騙陽動であっても、敵の分析、判断に影響を与え、「境外」決戦の実質意義に相乗効果をもたらす。

ハッカーの任務:

これは情報部隊の総合運用である。国内の情報技術、能力及び多重運用と研究は、世界一流のレベルに達している。中共兵力の構築は、ハイテク戦争の有限戦争に勝利を獲得することを目標にしている。わが国の情報優勢で、ハッカーの任務を運用して、敵の航行誘導、指揮管制、監視偵察、通信の情報連鎖ルート(C4ISR)を妨害するとともに、全民国防の中で民間のエネルギーと人材をもって特殊部隊を編成、運用し、部署を完成させて、作戦と呼応して、戦術行動と結合させることは、必須の方法である。

建軍と戦備の要求:

境外決戦は枠組みで、有効抑止は建軍のビジョンである(注31)。手段は作戦機を海洋から前に推し出し(作戦機動の快速反応と兵力の投射)、作戦面を本島から外に展開し(戦略面の存在艦隊)、陸軍戦略を後ろ楯、依託とし(全民防衛体制、全般後方支援、対上陸)、三軍連合作戦、完全な全民国防運営で、国家全体の資源を統合する。それ故に、建軍と戦備の要求の下で、「戦えるが、戦を求めない」、防御性抑止力」について、下記の重点を思考する。

全般的に国家戦略政策を規画し、国内の相関研究センターと軍種のブレーンを結合して、国防戦略について総点検を実施し、全般軍事戦略構想と多種の各個計画を連結して、連合作戦の理念を統合する。

境外決戦(敵を対岸に阻止)の職責は、三軍統帥の戦争指導体系の計画と実務運用に属する。

作戦階層のフラット化、年内に完成する聯合作戦メカニズム(体制)は、国家戦略体系作業を継承し、国防総力運用を拡大して、各軍種、民間防衛、海岸巡邏部門の戦備、戦訓組織の重点を、明確にする。

軍民資源の共通体系について、標準化共同管理規範を策定し、全体連鎖体系を構成して、双軌運用を完成させる。不対称作戦と超限戦に対して、動員徴用の転換とチャンネルの分配を構築する。

陸軍と「全民国防」の結合性メカニズム運用を強化

海軍戦術の研究開発と投射は、「制空、制海、対上陸、制電磁」の各種任務の戦場脅威について、各可能「戦場」目標と、用兵範囲と戦術空間を分析して、全般兵力の詳細確実な作為を遂行する。

「全般兵站」三軍共用、専用の整備と全民資源、修理保守能力の具体的分業と、隷属体系を評価する。

選鋒戦力の基点部署と境外部署(指定目標あるいは重点目標の用兵位置)。

準軍事「連盟」あるいは非軍事資源の整備と協調連繋。

Z. 台湾の条件

一、経済体系の基礎面

わが国は50数年来、資源の限られた島嶼において、その経済政策の堅実性と前向き性、土地政策の安定、工商業転換の成功により、海洋経済貿易発展の基礎面と健康面を促成した。今日、台湾の経済情勢は、全般考慮をしなければならない。即ち、アジア太平洋地域(大陸を含む)の全体市場に確定性を具備させ、知識経済あるいは、新経済政策理念が、持続的に市場化と経済貿易腹地を掌握できる広大な視野で、産業政策、金融政策を根付かせて、投資の管理方法と競争力を構築する(注32)。

二、四本の支柱の安定面

台湾の連鎖島嶼戦略地位と三軍戦力が、そのアジア太平洋地域の制圧地位を形成して、ポスト冷戦時代の国際勢力の中において、均衡的な地位を保持してきた。且つ、国防の安全と三軍の安定性によって、社会を安定させ、民主改革と政党政治、経済貿易と経済成長及び、国家生存発展の「國際空間」を獲得した。「台湾安全の地域化」、「両岸関係の安定化」、「政府の民主効能化」と経済貿易構造の市場化」は、我が国がその平和、尊厳、成長、互恵を、持続させる四つの安定支柱である。

三、台湾は米国の支援範囲を越えられないか?

台湾は経済貿易の優勢と情報科学技術の実力及び、国防戦力を具備しているが、基本的に、西太平洋島嶼連鎖の海洋勢力の影響を受けている地域であり、米、日両国の戦略、とくに米国の戦略に大きく左右される。台湾海峡の三回にわたる小規模な武装衝突及び、軍事衝突において、米国は相当程度の介入(付表5を参照)をし、「台湾の作為は、米国の支援範囲を越えられない」と言う認識を形成した(注33)。「米国の支援範囲内」の可能な方式内において、如何に抜け出して、明確に国家目標を表示するか、米国と中国の利益の挺子の上で、如何に傾斜式の均衡を取得するかは、執政者の政治知恵と國際相互作用の下に、「短、中、長期間」の情況判断について、国家利益と全民福祉を掌握して、適切なステップ調整をしなければならない。

四、新世紀に祖国統一を達成するか?

中共第十五回五中総会の公報(10月11日閉幕)は、「祖国の統一、近代化建設、平和と、共同発展の促進」を新世紀の三大任務に挙げ(注34)、目前の目標は「台湾問題、経済建設と市場効果を向上させ、國際戦略構築と実務関係を強化する」を中心とし、経済構造の戦略性調整を確実にすることを重点とする。理論と実務において、北京は追及する経済成長の注意力と政策面を分散させることをしない。この期間において、台湾問題もまた然りである。これを政治の手加減と戦略の条件とするならば、温和な現実的態度で、「両岸の平和、理性、互恵、合作の多方面の進展」を計るべきである(注35)。一つの中国を米国と台湾に求める中共は、等三角妥協の平和緩和の枠組内で、利益を計ることはしない。これは、一つの中国は「両岸の人民が共同で協議、談判で、組み立てる未来の中国」であるからである(注36)。

五、台湾はその他の選択肢の条件を具備しているか?

与党には意識に訴える台湾独立綱領があり、陳総統曰く:「統一は唯一の選択肢ではない」、陸委会蔡英文主任委員は「新政府が両岸関係を発展させる政策は、動態的に現状を維持し、将来は一つの建設性と構造性のある両岸関係を追求する。一つの中国は、談判を回復する唯一の手段ではない。双方は有効な対話を回復する方法を語り合うべきであるが、時間がかかる」(注37)。蔡英文は立法院(国会)で次のように説明した「国家統一綱領は未だ存在しているが、これは重要な指導文件であって、両岸の政策ではない」。目前の最重大な責任は、両岸関係が揺れ動いている調整期にあり、両岸関係は安定な発展と、各種の可能性を維持しなければならない(注38)。これには相当な曖昧性と不確定性がある。政府の基本的堅持は何か?われわれは待つのかあるいは、どのような時間と調整を構築するのか?政府部門、民間社会、商工経済側は、どのような安定した枠組みと方向で、一致前進し、相互依託をするのか?台湾人民は何処に向って行くのか?どういう損失をもたらすかを知る権利をもっている。

基本的に、台湾の選択肢の条件について、戦略から言えば、民進党の「台湾独立」及び李元総統の「特殊な国と国の関係」の戦略を使って探究した形勢は、中共の直接動作及び、米、日の態度と國際反応で、マイナス面の効果を引き起こし、また、われわれの内外戦略の空間を圧縮したのである。現在、「中華民国」現行の戦略防戦の維持に立ち返り、時間上と実務上の戦略相互作用の形勢を構築し、各段階の変数対応及び戦略コンセンサスと策略を策定し、適切な戦略操作で国内外の均衡を維持すべきである(注39)。われわれはこれを基準線とし、再び「国内民意の、両岸の相互往来、國際要因」(注40)の条件の構築の下に、両岸の新しい局面に対面する可能な選択肢を追及すべきである。

[・ 国家安全戦略の卑見――海洋経営策略

台湾地略の位置と環境資源は、典型的な海洋態勢を構成し、平時において、対外貿易と海運は、国家の生存が依存する命脈であり、海域の掌握と経済の成長は、国家の安全と生存の保障である。台湾は海洋の地理的天然障碍と国際間の西太平洋海洋戦略均衡の運用及び、五十四年来の海洋国防と国群守勢戦力の持続的成長により、中共の赤化を阻止して、台湾の経済と民主政治を発展させて、繁栄な局面を築き上げた。今後、国防戦力の蓄積と成長及び、国家海洋戦略の地域との組み合わせは、国家安全の基礎と國際事務拡張について、実行可能性をもつ策略である。

わが国の国防地略は、空母に類似した島嶼空間に位置し、基本的に、戦略防衛部署は、一つの航空母艦戦闘群と類似している。若し、敵の攻撃が台湾に波及し、海上縦深の制空、制海を掌握することができなければ、作戦は直接空航自身に及び、台湾の陸上部隊兵站支援と機動は、切断される脅威に直面し、河川によって分割された狭く長いブレート状の地形内では、戦略迂回空間の余地はない。基本的に、「軍事」だけに着眼すれば、一隻の不沈で大陸に近く、移動できない空母は、守勢作戦理念の言う「本土に戦争を引き入れない」ためには、全般安全策略の方向を、空母が影響を及ぼす「海洋戦略経営」の観念に指向しなければならない。制海(海洋)戦力と台湾(基地)に蓄積した力で、積極的に海域戦略縦深を拡張して、「有効抑止、防衛固守」の作戦指導を確実にするのである。事実上、「海略経営」は、海洋国家の国防安全において、決定的な地位を占めている。海洋利益の獲得と両岸対峙の現実について言えば、国家安全の確保と国家利益擁護の重点工作である。

「海略経営」効果の実例を、最もよく説明できる国は日本である。日本の国家防衛政策は、「安定した安全保障環境を構築し」、「乗ずる隙のない防衛態勢を構築する」を、戦略形成の重点にしている(注41)。その国防基本方針は、「先ず國際協調を推進して平和に力を注ぎ、民生の安定等で安全保障の基盤を確立して、有効な防衛を整備するとともに、米日安保体系を基礎とする」をもって、「外交内政」作為と「国防専守防衛兵力」を整備構築した(別紙10)。次に海洋戦略の観点から、その防衛力整備について述べる。

1.日本は四面を海に囲まれた島国であり、敵が侵入するには、海空のルートを経由しなければならず、地略上、縦深が不足である。日本は欧亜大陸北東部から太平洋に通ずる海上交通出口の戦略要衝に位置するため、充分な実力をもって、この地域の不安定要因になることを回避しなければならない。この地域の安定を維持することは、日本の平和と安全のために必要であるだけでなく、周辺地域の平和と安全にも寄与する。

2.日本は海洋国家であり、且つ海洋により米国とその他の友好国家と結合している。海上交通の安全を保護するのは、国家の生存と継戦の力を確保すると共に、米軍への支援の基礎でもある(注42)。

しかし、日本の軍備と自衛権は、憲法第九条各項の規定による制限により、自衛隊の兵力は「必要最低限度」の自衛兵力を保持している。日本の「海略経営」は、防衛政策の地略と経略で、その海洋戦略を思考し、国防力を安全に必要な海域に推進しなければならない。それで、憲法第九条内で、相当な戦略空間を賦与している。即ち、「自衛権を行使する要件」と「自衛権を行使できる地域範囲」は、日本の領土と領空に限らず、その具体的範囲は何処まで到着するかは、個別の状況によって異なり、一般には言えない(注43)。その「海外派兵」は、ベルシャ湾の掃海とカンボジアのPKO法案の突破を経て、日本の「海洋防衛一千海里の範囲」と、新しい「米日安保条約」、「周辺有事提携」の戦略釈義と結合して、「日本の対米軍行動支援」、「運用面における米日提携などの行動事項」を具体化させ(注44)、日本有事における新連盟作戦と相互提携計画を派生させて、法制化し(注45)、アジア太平洋安全の安定した戦略影響力を構築した(別紙11)。

一つの島嶼形勢の国家防衛(国家安全)政策の指向は、一つの全体的海洋戦略の枠組みであり、生活環境、地理的特性、国家(戦力)整備の方向、國際形勢の運用などを包括している。現実面につい言えば、時間性、需要性の大趨勢、全体的海洋戦略経営と制海部署を達成し、地域相互作用の介入と影響を発揮する。

日本、米国、中共は、国家利益により前向き部署に、非常に気を使っている。「海略経営」は21世紀の経済、軍事、国家の発展、エネルギー権益の保護、航路の全体的海洋戦略と国家安全戦略の海洋思考を包括している。上記国家の海略経営、制海運用、能力のニーズを手本とし、国軍発展に形成すべき方策、枠組み、重点及び、建軍戦備の具体的発展を推論する。政府の調整する国家戦略について、軍事政策指導を策定し、堅実に前向きに、軍事戦略方針の総評価を行い。将来の全般規画に資する(別紙12)。

現段階と将来の国家利益は、少なくても次の事項を含む:「国家の領土、主権の自由と完全無欠(海洋領土)」、「島嶼国家海洋経済の持続成長を維持し」、「国家生存発展の海洋空間運用を掌握し」(台湾海峡あるいは未来の可能な「三通」航路を含む)、更に進んで「国家の地域性海洋経済貿易の相互往来を促成する」と共に、「国防海洋力(海洋を含む)を運用して、アジア太平洋全般地域間の衝突可能な情勢に対応する一般的制圧と、牽制力を形成する」。台湾は地理、軍事、経済、海洋等の要因の影響を深く受ける海洋国家であり、地縁、政治、経済、人文と海峡態勢について、我国の海洋大戦略の視野を構築する。

国軍の発展は、前述の海洋戦略に沿って、国軍の戦略指導により、制海(局地制海)と兵力投射力(境外決戦)を具備して、国家利益と海権の保護、拡張を支援する。この力は如何なる領土、主権に危害を与える軍事脅威を阻止すると共に、対外海上交通線を維持して、「乗ずる隙のない防衛態勢を構築する」。更に国家全般外交策略と組み合わせ、地域周辺経済海域の重複性と結合して、海上秩序を擁護、救難、海洋環境保全を遂行し且つ、各国との軍事学術の相互往来を強化する。且つ、非軍事衝突の処理について、一切の可能な挑戦と、会場秩序に違反した行動を抑止、防止する。大戦略の意義、海洋戦略の結構と格式を構築し、友好国家と結合して、地域の均衡態勢と平和で、経済貿易海運の利益往来を向上させ、国家安全のために、「更に安定な安全保障環境を構築する」。

国家安全戦略は明確に「境外」の戦略意義を受け入れる。これは一つの新しい認識であるが、各種敵情の脅威、国家利益、国防(あるいは軍事)戦略、海空軍の能力と使命を勘案して、「海権地域」に海洋国家を建設して運用する。

この地域の範囲において、当然現時点の国防の「有効抑止、防衛固守」の制空、制海、対上陸と台湾海峡作戦地域戦場のC4ISRの戦備を向上させて、その効果を確実にする。

我が国は輸出指向型の島嶼国家の経済体系である。島嶼国家の生存は、威嚇に抵抗する国防戦力の外に、経済は一切の生存の核心であり、経済問題は、政治、軍事、心理(社会)の不安定と不確定を引き起こす変数でもある。

21世紀で、アジア太平洋島嶼連鎖東南方の台湾海峡地域において、米、日、中共、台湾の海洋戦略利益と権力の相互衝突の形態は絶えず出現する。我が国の国家と政策の安定性、国家発展の方向、国家安全戦略の全般規画、運用は、須らく国家の生存、経済貿易の発展、海洋の利益、国防運用において、政、経、心、軍の策略のコンセンサスを統合して、制度面と行政面の充実を計る。経済貿易の発展と海洋策略を、如何に米、日、中共、地域諸国の利益と結び付け、如何に知恵を相互依託するかは、国家の「海略経営」大戦略の構想の焦点である。

\. 結論

目前、中華民国の国家安全は、新政府の運営により、若干の政策策略は明確でなく、大方向と段階的なステップも統合中である。制度面において、全般の有形、無形の資源を画策して、国家の発展と組み合わせる。基礎面におえて、将来の策略についてコンセンサスを形成して、国家の安全、台湾海峡の戦略について、自身の位置付けと方向を整理統合する。

本文は両岸の特質と思考について、若干の見方を提起し、これ等の見方を戦略の進む方向と決心の中に帰納し、且つ、アジア太平洋戦略から中共、米、日、台湾間の利益と衝突を観察して、島嶼国家の海洋戦略の全体面と、国際間の利益の相互作用面を強調して、台湾海峡の戦略を討論した。台湾海峡の軍事均衡は、現在も将来も傾斜しているが、海洋地縁戦略上において、我が国と共同の海洋利益を持つ友好国と提携して、既有の地域均衡を保持する。また、両岸の緩和状態を維持するには、政治的度量、知恵、経済互完と戦略利益の影響を受ける。

両岸共に各自の戦略利益の正、負数があり、われわれは更に武力の実質的脅威と直面している。しかし、正数があれば、機、勢がある。國際情勢と政略経略に着眼すれば、若干の戦略利益上の挺子の視点が見つかるはずである。両岸共にその政、経略の考慮と評価分析があり、更に多い意識形態の矛盾と民族心理の隔離、圧力が相対的に排斥と反発をもたらし、双方を両極に推し進める。この傾斜の均衡下において、緩急の把握及び内部の不確定要因は、相互作用の空間を圧縮あるいは消失させ、時間の緊迫性は更にマイナス効果を拡大させる。政府が全般政策の企画を整理改正する時は、戦略の結構、格式と各個の確実な策略について、機、勢と利害を掌握して、情勢と条件を了解して、国家の安全と台湾海峡戦略関係について、最も適切な全般的誘導をするのが、キーポイントである。

* 本文の注、別紙、付図は原文の注釈、附件、附図を参照して下さい。


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