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いかにして中華民国体制は生まれたか(五)
中華民国体制の終結を
黄文雄  

台湾の中華民国体制は、中国時代の体制とちがって、中国国民党というよりも蒋介石父子によってつくられた「党、政、軍、特」四位一体の「党国」体制であった。それは、住民、あるいは国民によって生れた体制ではなく、台湾人にとっては外から移植された外来政権であった。かつて李登輝総統も司馬遼太郎氏との対談で、国民党政権は「外来政権」であると語っている。外来政権ではあっても、時代とともにじょじょに土着していくこともありうる。人類史上、いわゆる征服王朝というものは、つねにそういう運命を辿っている。清王朝もその一つである。

二期目の李登輝総統と陳水扁総統は、直接選挙から生れ、はじめての平和的政党交替を達成したものの、李総統は中華民国体制の終結者にはならなかったし、陳総統も中華民国体制の継承者としてふるまっているところをみると、最後の中華民国総統とならないどころが、体制延命の守護神となるのだろうか。

民進党の一部の幹部はかつて中華民国体制の終結を口にしたこともあったが、現在は中華民国体制を継承して、ミイラ取りがミイラになっている。辛亥革命以来九〇年、中華民国体制は、あたかも不死身の怪獣のように、倒れても追われても、さまざまな型に生まれ変わって生きのこっている。「外来政権」としての中華民国体制も半世紀以上に経ち、三民主義の害に毒されながらも、土着化がすすみ、「中華民国在台湾」という二重構造も崩壊しつつあり、党国体制も終結せんとしている。しかし、「国家」としての存在は、年とともに、土着化とともに、ますます危機が深刻化していく。

七〇年代の初頭、中華民国政府が国連から追放されてから、国際的な国家としての認知は、年とともに減少している。たしかに中華民国は、主権独立国家であると主張し、国民国家の条件もそなている。少くとも、現在世界二〇〇前後の国家の中で、台湾よりも近代国家としての条件をそなえている国は、それほど多くない。

しかし、独立国家であろうと、主権国家であろうと、国際的認知が必要である。もちろん、国際法だけではなく、国際力学も、それを決める不可欠の条件の一つであろう。中華民国は、国際社会ではすでに死亡宣告、あるいは除籍されている。しかし、中華民国体制は、この体制の終結を綱領に掲げている民進党政権に擁護されている現実をみても、中華民国体制の安楽死は、簡単ではなさそうだ。時代錯誤の体制が予想以上に長生できるのは、それなりの国内外の理由があろう。「存在するものが真理」という名言もある。

台湾は近い将来、一つの独立・主権国家として国際的に認知されることについて、私はむしろ楽観的で、時代と時間は台湾人にとっては有利であると確信している。「統一」「武力行使」あるいは「統合」の声が出ていても、私はあいかわらずそう確信している。その確信は、近代人としての理性への信頼の他に、数世紀来、人類がえいえいとして築いてきた民主、自由、人権という共通の価値体系は、十数億の中国人の「歴史使命」とか「民族の大義」の吶喊につぶされることはないと確信しているからだ。

中国覇権主義に対抗する最大の武器は、すべての中華文化、中華意識を拒否する台湾人意識、そして一人ひとりの台湾人が人間としての尊厳を守ることであることを最後に強調したい。


台湾独立建国聯盟ウェブサイト /WUFI Web-site
World United Formosans for Independence

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