| 「認同台湾国,制定新憲法」 (台湾国にアイデンティティを持ち、新憲法を制定しよう) 第3回世界台湾人大会参加記 2003/03/27 |
| 陳明裕/在日台湾同郷会会長 |
第3回世界台湾人大会(WTC)が3月15日より台北市にある国家図書館で盛大に開かれた。日本からは在日台湾同郷会陳明裕会長を団長とする日本参加団が在日台湾人および日本の友人多数を率いて参加した。 例年であれば開会式に陳水扁総統が来場し祝辞を述べるが、今回は呂副総統が開会祝辞を述べ、陳総統は17日に総統府で海外からの参加者の訪問を受けた。そのなかで郭重国会長が全体を代表して陳総統再選への選挙支援を約束した。2004年の総統選挙でも世大会メンバーが熱烈な支持を与えるだろう。 呂秀蓮副総統は祝辞の中で、中国はテロリストよりも恐ろしい、400基のミサイルの照準を台湾に合わせていると指摘した。中国だけを見るのではなく太平洋に目を向けるように、また、誰が敵なのか誰が味方なのかハッキリと知り、中国を友国と見誤ってはいけないと呼びかけた。内外の台湾人が協力することで、2008年より前に我らの台湾を世界の焦点にしたいという希望を表明した。 今大会で最も注目されたのは李登輝前総統の特別講演だった。李前総統が毅然として「中華民国を廃止し台湾国に改める」ように主張すると、ひとときのあいだ満場の喝采と拍手が鳴り止まなかった。6回の修正を経た現行憲法は使用に耐えないので、台湾にふさわしい新憲法を制定すべきであると指摘した。李前総統は国名変更と新憲法制定という主張を初めて明確な形で公にした。 「認同台湾国,制定新憲法」という2つのテーマの討論会は、名詩人である李敏勇氏と、胡耀邦のブレーンであった阮銘教授、文学者の李喬国策顧問が「認同台湾国」を担当し、それぞれ活躍中の陳隆志、李鴻禧、黄昭堂の各教授が「制定新憲法」について語った。6名の講師それぞれに研究が深く特色がある見解を披露するという精彩な内容に会場は爆笑と拍手が絶えなかった。陳隆志教授は制憲委員会は必ずしも選挙で任命する必要はなく、民間の専門家と民意代表、政党の代表が起稿した新憲法草案を住民投票にかけるという手順を、李鴻禧教授は、まず「憲法起草委員会」が新憲法を起草したあとで「制憲委員会」代表を選挙し、最後に住民投票にかけるという手順を提示した。台獨聯盟主席の黄昭堂教授は、陳総統が選挙運動の折に「憲法会議」招集を主張していたことを指摘し、陳総統が残り僅かとなったこの任期内に約束を果たすように求めた。新憲法の名前は「台湾国憲法」と決めてあるが、内容は隣に座っている陳、李2教授に頭を絞ってもらいます、と笑いを誘った。いずれにせよ新憲法制定が必要不可欠である。 行政院林信義副院長は具体的な数字を示しながら、国際的経済不振という大環境の中にありながら、新政府の努力が功を奏し台湾が強い国際協力を維持していることを指摘した。親中国メディアが台湾の経済不安を煽っているために、台湾人が自信を失い、陳水扁総統の新政府が我らの台湾のためにどれほど改革を進め将来のための基礎を固めているかということを知らないでいるのだと指摘した。 旧国民党系議員のなりふり構わぬ攻撃に曝されて鍛えられた簡又新外交部長は14日のレセプションでは一昨年とは対照的に熱烈な拍手に迎えられた。在外台湾人の温かい心が伝わったことであろう。この他、姚嘉文考試院長、黄天麟国策顧問、史明氏、李應元氏、周清玉議員など名士の講演や祝辞の内容も充実した提言で、印象深いものだった。 総統府の晩餐会はいわゆる「臭頭仔廟」(=中正紀念堂)を会場に行われた。いろいろな台湾料理、たとえば台湾風生春巻き、牡蠣そうめん、麻油鶏、大根もち、肉そぼろ麺、バーワンなどさまざまなメニューがそれぞれ美味しく、海外から参加した台湾人にとって高級レストランのフルコースよりも嬉しい贈り物だ。 16日は参加者の多くが早朝に台北を出発してチャーターした観光バスで高雄へ向かい、大会の高雄でのプログラムに参加した。高雄市政府で休憩したあとフェリーで高雄港を見学し、この世界的な名港の姿を体感した。フェリーから降りて美術館鑑賞の後、愛河のほとりで休憩を取り、謝長廷市長が振舞ってくれた立食形式の食事を味わいながら、謝市長の講演に耳を傾けた。かつて汚いことで悪名高かった愛河が謝市長が実施した整備を経て高雄の文化拠点、人々が余暇を楽しむ場所になっていて、長く国外にいた台湾人は、国内でも、河畔で清涼な空気を満喫し、コーヒーや音楽を楽しむことが出来るようになったことを喜んだ。最後はイルミネーション通りを歩き、高雄の夜景の美しさを体験した。高雄でこのように夜でも安全で健康的に楽しむ場所が出来たのも、やはり高雄市民の選択が正しかったのだろう。 大会終了後、高雄屏東懇丁ツアーに参加する者は高雄圓山ホテルに宿泊し、翌日の総統表敬訪問に参加する者は台北へ向かった。台北についたのは、すでに深夜2時半。午後2時半に、総統府前に集合することを確認して、忙しくて充実した長い一日を終えた。 17日、約80名の代表団が総統府で総統を訪問した。陳総統は、世大会と政府が共同で台湾の路へ踏み出そうと呼びかけ、代表団も総統の高い支持を受けての再選への支持を表明した。総統は各代表と握手して言葉をかけ、記念写真を撮影した。 総統府を出てから多くのメンバーが行政院に向かい「台湾の良心」林義雄氏が呼びかけた断食座り込み抗議に参加した。これは第4原子力発電所住民投票の約束を実現するように政府に求め、「誠信立国-核四公投、人民作主(誠実な国家を-第4原発住民投票、人民が主体である)」という主張を行うものだ。遅くても次期大統領選挙時に同時に第4原発住民投票を行うように求めるとともに、住民投票は国民全体の主体的な意思の表明として、すべての立法よりも高いレベルにあること、法的根拠がないことを問題にするのは間違いであることを強調した。深夜12時18分に解散するまで座り込みを続けた。平和で理性的な運動であった。台湾において民主文化の育成が大切だ。我々の台湾が一日も早く、原発のない、本当のフォルモサ - 麗しの島 になることを望む。 世大会は70に及ぶ海外台湾人団体からなっており、台湾精神を発揚し、世界の台湾人の力を結集することで、台湾の主権と国家安全を守り、台湾の国際地位を高めることを趣旨としている。11団体で構成する協力調整委員会が運営しており、そのうち6団体が常任で他は2年任期。今年は任期満了にともなう改選があった。在日台湾同郷会は再選され、唯一アジア地区を代表している。今回、日本参加団は多くが全日程にわたって参加し、会場でも積極的にボランティアを申し出たほか、先頭に立って第4原発座り込みに加わり、優れた働きを担うことができた。参加者の貢献と情熱に対して感謝したい。 |
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